大阪交通ニュース(はてなブログ版)

交通弱者のためのニュースを追求します、あとコメントは承認制にしています。はてなダイアリーhttp://d.hatena.ne.jp/delalte/より移転しました。

交通弱者を更に危険に追い込むものでしかない毎日新聞と馬場直子記者の報道

また毎日新聞がこのような自転車叩き記事を掲載しています、

銀輪の死角:衝突で高齢者けが、入院・見舞金80万円 まさか、我が子が加害者に
http://mainichi.jp/select/jiken/ginrinnosikaku/news/20101107ddm041040083000c.html
◇調停の簡裁「右側通行が悪い」
 自転車と歩行者の交通事故がここ10年急増する中、子供と高齢者の自転車同士の衝突でトラブルになるケースも出始めた。大阪市のパート勤務の女性(50)は、当時11歳だった長男が自転車で走行中、高齢者の自転車とぶつかり相手を骨折させる事故を経験した。長男は保険に未加入で、右側通行の交通違反を指摘され、計約80万円の賠償金を支払った。女性は「子供が事故の加害者になるとは思いも寄らなかった」と話し、「自転車利用者はもっと交通ルールを知る必要がある」と訴えた。

 女性は00年10月のある日の夕方、長男、長女と3人で、大阪市天王寺区の道路の右側歩道をそれぞれ自転車に乗って走っていた。先頭の長男は前にいた歩行者と駐車中の軽ワゴン車を避けようと車道に出て、対向してきた当時68歳の女性の自転車と衝突。高齢女性は自分の自転車に取り付けていた傘を差す器具で胸を打ち、骨にひびが入って入院した。

 小学生の長男が自転車で人にけがをさせるとは思いもせず、損害賠償保険には入っていなかった。「誠心誠意できることを」と、治療費を求められるたびに負担し、毎日のように見舞いに通った。

 約1カ月後、高齢女性は退院したが、さらに「見舞金」として約50万円を請求された。当時、夫の仕事は不況のあおりを受け、女性もパートのかけ持ちで家計を支え、その金額は大きな負担だった。雨は降っていないのに傘を差す器具をしまっていなかった高齢女性の「落ち度」も感じ、話し合ったが決裂。大阪簡裁の民事調停に持ち込まれた。

 仲立ちする調停委員から思わぬ指摘を受けた。「自転車の通行は左側が原則。おたくに支払い義務がある」。右側走行が道路交通法に違反していることを女性自身、知らなかった。車道走行が原則で、歩道は例外ということも。結局、治療費なども含め、計約80万円を支払うことになった。

 長男に自転車を買った時、一緒に交通ルールを確認すべきだったと思う。事故を契機に、家族みんなで保険に入った。今も後悔とともに、自転車の無謀運転を見るたび「ルール順守の意識が低い」とやるせなさが募る。

 今年8月21日、「銀輪の死角」キャンペーンで「自転車事故で高額賠償相次ぐ」という記事を読み、体験を思い起こして投稿した。子供と高齢者、「交通弱者」同士の不幸な事故。訪れた記者に「自転車は加害者になることがほとんどないと思っていた。みんなそうだと思う。だけど今は『加害者になることもあるよ』と言いたい」。そして、こう継いだ。「事故の補償は保険加入が義務づけられている車よりも解決が難しい。それを多くの人に知ってほしい」【馬場直子】

とのことです。
この記事で特徴的なのはこの事故の第一の原因である歩道乗り上げ駐車をしていた車に対して問題視する視点が全くもって欠けているということです、何しろこの車が歩道と路側帯を占拠し、また車高の高いワゴン車ということで視線を遮っていたのですから、このことについて全く問題にしないということはこういった、
 
 
歩道上における車の横暴行為に関しては毎日新聞並びに馬場直子記者は全く問題視しないということです、自転車の通行に関しては散々ケチをつけまくっているくせに。
こうして交通弱者の粗探し*1をする一方で、自動車に関してはその加害の実態を矮小化し、責任を問わない報道ばかり続けてどうなるのでしょうか、何といっても道路上での一番の強者であり、加害可能性のあるのは結局は自動車なのですから、道路上では一番謙虚に行動してもらわなくてはいけないはずなのです、それがマスコミ上では交通弱者を槍玉にあげる報道ばかりなされていれば、世のドライバー達は自分達は悪くない、事故の原因はあいつら(交通弱者)のせいだ!と思ってしまい、気が大きくなって乱暴な運転をしがちになってしまうのではないでしょうか、というか実際乱暴な運転もよく見かけます、この週末よく見かけたのは行楽シーズンで主要道路が混雑しているせいか知りませんが歩道も無いような狭い裏道をやたらスピード出して走っている車でした。そして、そういった車によってこういう事故も起きてしまいました。

通学途中の小1男児、右折車にひかれ死亡
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101108-OYT1T00593.htm
8日午前7時55分頃、大阪府柏原市大正3の市道交差点で、横断中の同市立柏原小1年西尾結心(ゆうしん)君(6)が右折中の乗用車に巻き込まれ、全身を強く打ち、約2時間後に死亡した。


 柏原署は、車を運転していた同市の会社員山村真二容疑者(40)を自動車運転過失傷害容疑で現行犯逮捕、同致死容疑に切り替えて調べている。

 同署によると、現場は横断歩道や信号のない交差点。西尾君は複数で通学途中だった。他の児童にけがはなかった。同容疑者は通勤途上だったといい、「幹線道路が渋滞していたので抜け道として現場を通行していた」と供述しているという。

 現場近くの主婦(61)は「通行量の多い交差点なのに、停止せずに曲がる車が多く、よく事故が起きていた。通学路でもあるのでいつかこういう事故が起こるのではないかと心配していた」と話していた。

(2010年11月8日12時19分 読売新聞)

ちなみにこの事故、毎日新聞サイト「毎日jp」では完全黙殺です。
こういった事故原因を交通弱者のせいにばかり帰して自動車側はたとえ乱暴な運転で実際に事故を引き起こしても免罪するという報道姿勢、これで作り上げられた世論が裁判に影響を及ぼし、いわゆる「死人に口無し」事故処理が行われていたとしたら、実際に死亡ひき逃げがいとも容易く不起訴になっている事例が最近目立つのですから。
とにかく毎日新聞並びに馬場直子記者は自転車を叩くのもいいですが、ならばその被害の数に比例した分量で自動車の加害についても隠蔽することなく取り上げてほしいものです、今のような報道を続けるのなら自動車側が相対的に免罪されてしまい、更なる横暴運転を呼び込む効果を発生させることでしょう。
そして今日11月9日、毎日放送ちちんぷいぷい内においてこのニュースの後追いをする形で自転車叩きを行っていました、その内容も歩道乗り上げ駐車が原因となった事故の詳細には全く触れずにただ自転車の賠償責任ということだけをとりあげたものであり、あとは「自転車は歩道走行禁止」などと原則論を今さら押し付けてきたり、最後にはルールが必要などといって自転車免許論まで飛び出してきたりして、とにかく自転車に対する悪意に満ちた内容でした、司会の角純一氏などは自転車は小回り利くから角から急に出てくる、などと表現していましたが、まさしくこの前日に抜け道を小回りしてきて角から急に出てきた車が死亡事故を起こしているのです、そして、この事件について毎日放送は一切伝えていないのです(TBSの全国枠ニュース内では放送、その日のちちんぷいぷいはチェックしていませんがどうせ無視しているでしょうし、たとえ扱っていたとしても一瞬でしょう。)、自動車の加害事故については徹底的に隠蔽し、自転車の加害性だけを大きく取り上げるという悪質極まりない報道姿勢だと言えるでしょう、その後のコーナーでは軽自動車への増税に文句を言っていたりと、とにかく徹底徹尾自動車業界への媚を売るような番組内容で、何やら自動車業界からプレッシャーでもあったのではないかと思わせるものでした。

*1:他にも高齢者の事故死増加の原因を被害者本人に帰する報道も目立つところです、これは今日(11月9日)のちちんぷいぷい自転車叩きコーナーでも行われていました。