一昨日7月29日のテレビ朝日、朝のワイドショー番組「羽鳥慎一モーニングショー」にて、東京都足立区にて歩きスマホ禁止条例が施行されたことについて扱っていましたね。まずはVTRで、これだけ十何人も歩きスマホがいて危険だ、ということをやっていたのですが、その場所は信号のない横断歩道だったのですね。確かに歩きスマホだと危険もあるかもしれませんが、信号のない横断歩道においてまず気を付けなければいけないのは車の方でしょう。実際歩行者がいるのに止まらない横暴な車が大きな問題となっているのに、そのことには一切触れないまま、歩行者の注意義務の問題視を始めるこの番組は、とことん車社会の味方と言わざるおえません。そして次にはこの条例の制定を主導したという古性重則(自民党)区議のインタビューVTRが流されました。何やら車を運転していて、ながらスマホで信号無視の自転車にヒヤッとさせられたのが動機だったとか、そして罰則化も目指すとのことです。いまいち釈然としないところが残りますね。それなら道交法での自転車の取り締まりを強化すればいいだけの話で、歩行者には丸っきりのとばっちりということになるでしょう。実際にこの区議がひやっとさせられたのは歩きスマホの方で、それだとドライバーが歩行者に腹を立てるという、いささか外聞の悪い話となるので、それを回避した感があります。いずれにせよ大きな殺傷力を持つ車の運転における規制と、全くの自然状態である歩行状態を同列に捉え、規制だ罰則化だと、それもドライバーの立場から主張するというのは、なんと強圧的で暴力的なことでしょう。
そういえば直近でもこんなニュースがありました、
今までこのブログではマスコミ関係者の飲酒運転に注目してきましたが、地方議員の飲酒運転も相次いでいるのです。未だ飲酒運転を続けている地方議員もかなりいるに間違いありません。そうした議員らは飲酒運転、ながらスマホ運転罰則強化や取り締まり強化にかなり腹を立てていて、その怒り、八つ当たりが今回のこの条例制定の原動力になったと思うしかない状況です。
そして今回のこのことを伝えたこの番組です。細かいところで疑問を呈する場面はあったものの、全体的な結論としては賛成するような方向でした。この番組、車への規制はあおり運転のみならず、飲酒運転へのものまで全力の抵抗を見せていました、
「厳罰化によって寛容さ、個人の権利が失われる」
「警察の力での抑止に全てをかけるのは問題だ」
飲酒運転での死亡事故がかつては年千件以上あったのが、取り締まり強化以降激減し百件程度になったグラフを見せてこの発言がされたわけです。「もう十分数は減っただろう、これ以上の取り締まりはするな!」と、年百件程度の死亡事故は容認しろということです。そういうことまで言っておきながら、それに比べれば問題にならないほど危険が少ない歩きスマホの規制には易々と賛成するのです。いかにこの番組がドライバーの立場のみから作られ、ドライバーの為だけにあるということを清々しいほどまでに堂々と開陳したのが、今回の放送だと言えるでしょう。