10月10日の日経新聞、9面目に大きく自転車叩き記事が載っていました、ご存知の通り日経WEBは有料化されましたし、記事自体も一面に近いほど広大な面積を使ったものだったので、書き写すのも面倒くさいので引用はしませんが、内容は毎度おなじみ歩道走行にケチをつけ、自転車の保険加入の重要性を説いたものでした、まあいきなり「全部登録制、皆保険制にせよ」などと先の毎日新聞ほど突っ走った内容ではありませんでしたが、いずれにせよ自転車の歩行者に対する加害性を大きくクローズアップしたものでした。
確かに対歩行者、それも歩道上ともなると自転車が一方的な加害者であることは否めません、しかしもちろん歩行者が交通被害に遭うのはそういった状況下ばかりではありません、交通安全白書によれば平成21年度の歩行中事故死者は1717人となっています、その中で自転車加害のものははっきりした数字が出ていないのでわかりませんがせいぜい10件くらいでしょう、歩行中けが人も全体で69069人、この記事に出ていましたが自転車の対歩行者事故件数は約2900件、増えたとはいえ割合的にはまだ少ないものです、全体からいえば割合の少ないこの自転車加害事故をマスコミはどれだけ大きく伝えてきたことでしょうか、確かに自転車は対歩行者となると一方的に加害者ですがその局面ばかりを大きく伝えるというのも余りに一方的です、それに歩道から自転車を追放すれば全てはうまく行くとでもいうのでしょうか、最近良く見かけるのは車道で自転車が車に追突され、その中の幾つかではひき逃げされるという事故のニュースです、
9月6日千葉県勝浦市後ろから大型保冷車にはねられ自転車の男性死亡
9月7日京都市南区後ろから車にはねられ自転車の男性死亡
9月24日埼玉県滑川町酒気帯び運転の車が自転車に追突女性けが
10月9日兵庫県加西市車にひき逃げされ女性死亡後ろが激しく破損した自転車が残される
10月10日愛知県豊橋市後ろから車にひき逃げされ自転車に乗っていた女性重体
こういった事故が多発しているのはもちろん自動車側が自転車の安全に配慮した運転をしていないからです、後ろから追突されたりしたら回避しようがありません、ついこの間も私は狭い道でちょっと前の車列が詰まっただけでけたたましくクラクションを鳴らす車を目撃しました、こうしたところかまわず暴力的に先を急ぐような車に自転車で車道を走っている時に後ろから迫ってこられたら、などと考えると恐怖です、マスコミは歩道における自転車の害を言うのであれば、車道上における交通弱者への配慮の必要性もきちんと大きく取り上げるということをしてほしいものです、現状では車道上は交通弱者が安全に走れるような状況にあるとは思えません、歩道から本当に自転車を追放してしまえばこういった危険に晒される人はもっと多くなります、まあそうなったとしてもマスコミがロクに伝えなければ問題にならないだけの話なのかも知れませんが、というか現状がそうですし。
またマスコミは歩道上の自転車加害ばかりを取り上げますが、もちろん歩道上において歩行者に危害を与えているのは自転車ばかりではありません、
このように歩道上を占拠し、出入り口として使用して歩行者などを危険にさらし、不快感を与えている車、建物なども多いのです、また歩道上に車が突っ込み人を死なせる事故も発生してたりするのです、自転車を叩くだけではこれらの被害は一向に改善されません、確かに自転車は対歩行者となると一方的な加害者であり、特に歩道上においてはそうです、しかし自転車を迫害してやろうという目的の為にマスコミがその局面だけ集中的に大きく取り上げるというのは卑怯です。