大阪交通ニュース(はてなブログ版)

交通弱者のためのニュースを追求します、あとコメントは承認制にしています。はてなダイアリーhttp://d.hatena.ne.jp/delalte/より移転しました。

本気で自転車利用者を殺しにきているマスコミ、道路交通法改正試案の報道について

先日、道路交通法改正試案が発表されました。

道路交通法改正試案」に対する意見の募集について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=120130004&OBJCD=&GROUP=

これについては、重大事故が多発した自動車はともかく、マスコミが害を大げさに騒ぎたて、対歩行者事故増加などという警察がかなり操作できる数字しか根拠を示されていない自転車にまで規制強化が及んでいるところは納得しがたいですが、何といってもおかしかったのはマスコミの報じ方です。上のリンクから改正試案を見てもらえるとわかりますが、まず書かれているのは自動車に対する厳罰化、規制強化の部分6頁半であり、自転車に対する内容はその後に2頁分しかありません。これを見ると、どうしても自動車に対する対策が主だとしか思えないわけですが、この件についてのマスコミ報道といえば、特に読売、毎日新聞がひどかったのですが、一面にデカデカと「自転車」とか「悪質自転車」とか大きく出し、あたかも自転車に対してのみ大規制が行われるかのような報じ方をしていました。
特に問題なのがこの記事です、

悪質自転車:ルール違反に講習義務付け 道交法改正試案
http://mainichi.jp/select/news/20130214k0000e040164000c.html
路側帯は、歩道のない道路の端を線で区切った部分。現在は法律上の規定がなく自転車の双方向通行が可能なため、正面衝突やすれ違い時の接触の危険がある。試案は、路側帯を自転車が通行する場合、「道路の左側部分に限る」と新たに規定した。右側通行の罰則は3月以下の懲役か5万円以下の罰金。

 国土交通省によると、歩道のない道路は全国に約100万キロ。残る約20万キロには歩道や自転車歩行者道があり、今回の規制は対象外とされる。

この記事では「路側帯は、歩道のない道路の端を線で区切った部分」と言い切っちゃってますが、普通に考えても歩道のない道路であればそこには歩行者がいるのであり、またわき道から出てくる車、自転車、歩行者、それに路上駐車、そのような道で路側帯を走れなどと言われても、それにこだわらされればもっと危険なことになります。どう考えてもこの試案の部分が対象にしているのは、歩道のある道路で路肩に設けられた自転車走行帯みたいなものを想定されたものとしか思えないわけです。しかしそこをこの記事は逆手に取り、「歩道のない道では路肩を順方向に走れ!」挙句の果てには、

国土交通省によると、歩道のない道路は全国に約100万キロ。残る約20万キロには歩道や自転車歩行者道があり、今回の規制は対象外とされる。

「全国120万キロのうち、100万キロの歩道のない道でこうした新たに規制された走りしか出来なくなってザマーミロ」とまでに駄目押ししてきているわけです。上にも述べたように、歩道のないような劣悪な道路で路側帯走行を強制されてもそれは却って危険なものでしかありません、この報道ぶりにはかつて路上駐車を避けているところをつかまえて「自転車は道路の左端だろゴルア」とやってのけた日テレの報道を思い出します。自転車が左端走行に固執させられ、わき道からの事故には却って危険にさらされようが、歩行者を危険にさらし、加害責任までも負わされようが、とにかく自動車様の快適な走行の為に道路の真ん中は空けておけ!というわけです。
考えてみれば信号のない横断歩道での車の注意義務に代表されるように、車にとっての窮屈な責務はなるべく報じず空文化をたくらみ、一方自転車の行動を縛る規制はどんな不合理なものであってもどんどん報じて定着を図る、というのがこれまでマスコミがやってきたことです。とすれば実際の文章の多寡にもかかわらずあたかも自転車中心の規制が行われるかのように報じたマスコミの姿勢は、議論がそちら中心に行われるようにもくろみ、また自転車規制だけが具体化、定着化することをもくろんだ非常に悪質なものだと言えるでしょう。
毎日新聞はといえば、系列の毎日放送スポニチからそれぞれ飲酒事故者を出しているのです、人のことを「悪質」だとか罵る方が悪質運転者を輩出しているのです。そういえば他にもマスコミ関係者が飲酒運転で摘発されるケースはありますが、全て事故を起こした末のものです。これは検問で捕まったくらいではことごとく見逃してもらっているということではないでしょうか?まさに悪質運転者の集団であるマスコミが自分たちにとって耳の痛い自動車厳罰化には極力頬かむりをして空文化をもくろみ、そして自らの快適な走行の為に更なる自転車規制ばかりを煽り、その存在を本気で抹殺にかかっているというのが今の現状だと言えるでしょう。