大阪交通ニュース(はてなブログ版)

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「働かざる者は死ね!」というイデオロギーと原発

今回の事故が起こるまでも無く、原発というものは被爆する大量の労働者というものを必要とするのであって、とりわけ危険なところは何重にも下請けピンはねされ、保障も何も無い使い捨ての派遣労働者だったという現状があったことは多くの人が知っていた話でしょう、言わば原発とは以前から存在そのものが既に人権問題であったとも言えます、当然そんな仕事には誰も就きたがりません、こういった非人間的な職場に安定して人材を供給しようと思えばそういう政策が、食うに困ってどんな仕事でも選んでいられないという困窮した人間が居なければなりません、そう、原発を動かす為には格差が拡大し、一定数の困窮層が必ず居なければならず、その困窮層がこの劣悪な仕事を嫌でも選ばざるおえないようにしなければいけないというわけです、というわけでこの国では無職であることへの道義的責任とかいったものが常に追及され、困窮層が保護を求めてもそれに対する行政の冷たい態度が是認されるばかりではなく、保護を求めた事自体が袋叩きになるといった世論が構築されていったのです、そうして困窮層は経済的のみならず、道義的にも追及され、ついには原発下請け労働者というような危険極まりないわりに報酬はピンハネされまくって低く、放射能被害を訴えてもどうせマスコミは完全無視を決め込み、放置されることが決まっているというような最悪の条件の仕事を受け入れざるおえないような状況に追い込まれるというわけです、もちろんこういった困窮層を作り出し、それによって労働者をなるべく安く買い叩くという仕組みは産業界にとっても有利なことです、原発は労働者を確保するため「働かざる者は死ね」というイデオロギーと、困窮層への給付などは極力行われないという体制が必要で、また、この「働かざる者は死ね」というイデオロギーで、困窮層への給付などは極力行われないという体制を維持したい立場からも、この原発というものを維持しなければいけない、という理由が得られたという、言わば相互に補強する関係になったわけなのでしょう。
そしてそのことはその地域全体にも言えます、誰が自分の住むところに、自分の故郷に原発など出来て欲しいと望むでしょうか?とはいえその地域に産業も無く、もちろん困窮しても何の保障も無いとなればその地域からはどんどん人が出て行って衰退、消滅してしまいます、そこで仕事を無理にでも得るために背に腹は変えられず原発誘致などという誘いに乗ってしまい、今回のようなことになってしまったのです、そこの地域の住民たちが例え仕事が無かったとしても易々と生活保護、もしくは他の形での保護を無条件で受けることが出来、ちゃんと暮せるという仕組みが出来ていたなら(そして、それは当然の権利であるはずなのです)原発などはどこの自治体も受け入れず、よって推進も出来ず*1高速増殖炉とかいうキチガイ施設が作られることも無かったのです、もしそうであれば生活保護費などが何倍もかかっていたかもしれませんが、この原発惨事による損害、また使用済み核燃料の処理費用などを考えたら、決して多額の無駄な出費というわけでは無かったと言わざるおえません、もちろんこれから起こる災害のリスクを考える上においても原発のあるなしでは大きな違いがあります、正に「情けは人の為ならず」というということですね。

*1:福祉の充実しているドイツが原発廃止に真っ先に動いたというのが象徴的です、まあ欧米諸国は移民を使い倒しているのでしょうが