大阪交通ニュース(はてなブログ版)

交通弱者のためのニュースを追求します、あとコメントは承認制にしています。はてなダイアリーhttp://d.hatena.ne.jp/delalte/より移転しました。

今日も自転車ばかり槍玉に挙げ続けるマスコミ

今日(7月7日)の産経新聞サイト(MSN産経ニュース)にこんな記事がありました、

事故誘発したのは無謀自転車 大阪のタンク車死亡事故
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110707-00000512-san-soci
産経新聞 7月7日(木)2時37分配信
 大阪市浪速区の国道で5月、急ハンドルを切ったタンクローリーが歩道に突っ込み、男性2人が死亡した事故。痛ましい惨事を引き起こしたきっかけについて、捜査当局は、直前に道路を横切った自転車が原因と断定し、車の運転手は処分保留とする一方、自転車を運転していた男を起訴するという異例の展開をたどった。歩道を歩いていただけの2人の命が奪われた事故の背景には、全国的にも目立つ大阪の自転車マナーの悪さが浮かび、府警は取り締まりを強化している。

 事故は5月12日朝、浪速区日本橋東の国道25号で起こった。片側2車線(幅約25メートル)の信号のない場所を横切ろうと自転車が飛び出し、避けようとしたワゴン車が急遽車線変更。さらに、前方に割り込んだワゴン車を避けようとタンクローリーが左に急ハンドルを切って歩道に突っ込み、運送アルバイト、登尾正昭さん(75)=大阪市城東区=と派遣社員の永井景二さん(49)=同市福島区=がはねられ死亡した。

 浪速署は同日、自動車運転過失傷害(後に同致死に切り替え)の疑いで、タンクローリーを運転していた男性運転手(55)を逮捕。さらに、ワゴン車を運転していた会社員の男性(43)も逮捕した。

 ところが、ワゴン車の運転手は同署の調べに「自転車を避けるために車線変更した」と供述。目撃情報もあり、自転車が事故のきっかけとなったことが明らかになった。このため同署は、事故を誘発した重過失致死容疑で、自転車の越智茂容疑者(60)を逮捕。越智容疑者は当初は容疑を否認したが、後に「車の有無を確認せずに道を渡った」と認めたという。

 現場はJR新今宮駅近くの街中の国道で、昼夜を問わず車の通行量が多い。起訴状などによると、越智被告は見通しが困難な場所で道路中央まで進み、右折待ちの車列の後ろから飛び出したとされる。

 事故の形態などから、大阪地検は6月、運転手2人を処分保留で釈放する一方、越智容疑者のみを重過失致死罪で起訴。被害者を直接はねたわけではない自転車の運転者だけが立件された。府警関係者は「極めて珍しいケース」と話す一方、「大阪の自転車マナーの悪さが事故を引き起こしたと言える」と語る。

 府警は、交通ルールを無視した悪質な自転車運転について取り締まりを強化。「亡くなった被害者は本当に痛ましい。今回の事故を、同種事故の再発防止のための教訓にしないといけない」としている。

この事故のことはこの記事だけでなく、他の新聞の記事内でも良く取り上げられています、正に自転車に責任があるような事故だと「そら見たことか」とばかりに集中的に大きく取り上げて「自転車は危険、悪いのは全て自転車」というイメージを拡散することに躍起ですね、そもそもこの事故、自転車も悪かったとしても車2台の方も避けきれなくて対向車線に飛び出したり、歩道を何十メートルに渡って暴走したり、注意義務やスピード違反的に問題は無かったのか?そこのところはきちんと捜査が尽くされていたのか?気になります、事によってはこのマスコミの自転車槍玉の風潮に乗って、自らも車を乗り回して、よりドライバーの側に共感を持つ担当検事が悪乗りしてとにかく自転車に責任を押し付けてしまったのではないか?という疑念も持ってしまいます、何よりマスコミによってこういった「自動車の側は悪くない」という報道が繰り返されれば、それこそ交通違反した自転車、歩行者などはひき殺しても構わない*1、といった風潮が定着してしまわないか?ということを危惧するばかりです。
一方今日はこういったニュースもありました、

時速100キロ、オーディオ操作…2人死傷事故
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110707-00000329-yom-soci
読売新聞 7月7日(木)12時6分配信
 6日午後10時5分頃、東京都多摩市関戸の都道交差点で、横断歩道を歩いて渡っていた埼玉県入間市高倉、会社員鈴木和男さん(63)が、右からきた乗用車にはねられ、頭などを強く打ち、約2時間後に死亡した。

 自転車で横断中の近くの中学1年男子生徒(13)もはねられ、右足を骨折する重傷。

 警視庁多摩中央署は、運転していた東京都小平市津田町、会社員芳沢亮太容疑者(20)を自動車運転過失傷害容疑で現行犯逮捕し、危険運転致死傷容疑も視野に調べを進めている。同署の調べに対し「オーディオを操作していて赤信号に気付くのが遅れた。時速100キロくらい出ていたと思う」と話しているという。

オーディオ操作しながら運転、横断歩道上赤信号無視、時速100キロなどと、もう最悪質な事故だと言えます、これ以上悪質な運転はそうそう思いつかないくらいです、これだけ悪質な事故だというのにWEB上で取り上げていたのは今のところ読売新聞とABC(テレ朝)のみというのはあまりに少なすぎます、自転車のマナーは散々槍玉に挙げておきながら、それを上回る車の横暴運転によって人命が失われても完全に黙殺というのはひどすぎるでしょう、マスコミは自転車乗りながらのヘッドホンを非難するのならカーステレオも問題視すべきです。

*1:横暴ドライバーなどは本気でそう思っていそうです、しかし「歩道上の自転車と歩行者の事故ではどんな場合でも100%自転車に責任あり!」などというのとは正反対の考え方ですね。