大阪交通ニュース(はてなブログ版)

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制限速度を免罪符にされてはたまらない

京都の亀岡市に引き続き千葉の館山市でも子供が犠牲になる交通事故が起きてしまいました、

千葉・館山市男児死亡事故 逮捕の男「制限速度で走っていた」
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00222157.html

話を聞くにつれ、あんまりだと思う亀岡の加害者に比べ、こちらの加害者は無免で夜通し運転した末に居眠りとか、飲酒運転とか、ケータイ、カーステなどを操作していたとか、そういう特にはっきりとした違反、過失は無く、どちらかといえば一般ドライバーが不運にも起こしてしまった事故とも言えるわけです、それこそ人身に至らない自損事故などいくらでも起こっていることですし。それでも気になるのは、

容疑者は、「事故当時、制限速度の50kmで走っていた」と話していて、警察もそれに対して、「矛盾はない」と話している。

というところです、何だか警察やマスコミも含めて「制限速度内だから過失は無い、あるいは減ぜられる」とでも言っているように感じられてしまいます、制限速度超過での事故が過失責任を増大させるのはもちろんですが、制限速度内だからといって責任が減じられるという考え方がもしあるとしたら大いに問題でしょう、今回のこの館山の件、歩道も無い狭い道であり、ニュース映像で見る限りにおいては当時強い雨、また現場は見通しも悪かったということで、決して制限速度ギリギリで走ってよいという状況では無かったはずです。車はいつ、いかなる状況でも制限速度一杯で走ってよし!それがドライバーにとっての当然の権利だ!などと言われてはたまったものではありません。そんな論理がまかり通れば制限速度=最低速度ということになり、制限速度に満たない車、バイク、自転車などには当然のように後ろからクラクションが浴びせかけられ、圧迫され乱暴に抜かされていき、挙句の果てには制限速度ギリギリで走っている車までもが煽られるということになってしまいます、実際車道全般はそのような状況になっているでしょう。だからこそ自転車の車道走行は危険なのですし、またどこまで行っても交通弱者全般は常に危険にさらされるということになるのです。昨年の自転車叩きの中では「歩道上の対歩行者事故責任は、何があっても全て自転車の方にあり!」などと言われ、実際そうした認定が行われているようですが、むしろそれは歩道の無い狭い道での車にこそ適用されるべきものでしょう、そしてそのことを広く知らしめて、狭い道でスピードを出して走り抜けることはとても危険で割に合わないことだ、ということをドライバーに周知させていく、歩行者をはじめとした交通弱者全般の安全を守るためにはまずこれをするべきでしょう。