大阪交通ニュース(はてなブログ版)

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生活道路においてまで車の優先権を主張するテレビ朝日の危険な策謀

今日のテレビ朝日、昼のワイドショー番組「ワイドスクランブル」にてまた暴走自転車とかやっていました。内容はといえば、こないだ施行された自転車の右側走行禁止に乗っかったものだったのですが、気になったのは取り締まりの模様や、危険行為の例として映し出されたところがほぼ全て歩道の無い狭い道路だったことです。歩道も無いとなると歩行者のことも気にかけなくてはいけませんし、脇道のつき方、路上駐車などによってそういった原則にとらわれない方が安全、もしくは右側通行をせざるおえないところもあるはずで、まず最初に取り上げられていた取締りの映像のところなどそういうふうに想像出来うるところです。まず何よりも、歩道も無く、よって交通弱者の側に安全地帯の全く無いような道路では、車の方にこそ安全確認してもらわなければどうしようもありません。自転車の右側走行で危険だと取り上げられたVTRでも、車が結構危険な感じで曲がっているな、と思えるところもありました。
挙句の果てには対面通行でさえない、一車線しかない脇道から出てくる自転車までにもそういう指摘をするのです。そういう道では自転車も安全の為には真ん中を通行するべきであり、曲がる際にはそれこそ左右関係無しに大回り気味に行くべきところです。そうでなければ対車だけではなく、歩行者、自転車との事故をも引き起こしかねません。そうさせない後ろの車からの、道路の端に寄れとかいうような圧力があるのなら、そちらの方こそ大問題にすべきです。以前も指摘しましたが、そういう道にまで殊更に自転車の左端走行を要求するというのは、一部警察、行政、そしてマスコミの、車ばかり優先させて、自転車ばかりではなく、歩行者も含めての交通弱者全般にまで危険を及ぼす極めて危険な悪ノリにすぎません。
極めつけは、以前日テレバンキシャでも同じようなVTRが流されましたが、路上駐車の陰から逆走自転車が出てきて危険、というものです。路上駐車の危険性、責任は?視界を遮られていることによる車の方の注意義務は?色んなものを全て無追求のまま自転車のみ追及という姿勢には極めて疑問を感じます。前のバンキシャでも同様でしたが、路上駐車があり死角があって危険だというのに、車の方にはスピードを緩めたりというような危険回避の姿勢がVTRからはあまり感じられませんでしたから。とにかく今日の放送から感じられたのは、事故が起こっても車は悪くない!悪いのは自転車の方だ!というメッセージでした。確かに交通量の多い道路で殊更に信号無視とか、危険で無理な横断とかの場合にはそれも当てはまるのでしょうが、歩道も無いような生活道路にまで自転車の方にばかり細々とした規則遵守を強要し、一方車は徹底的に免罪するというその姿勢には、生活道路においてやたらスピードを出していたり、危険な運転をする車を日常から見ている者としては疑問を感じるところです。実際おそらく生活道路であろうと思われる、信号の無い横断歩道での車加害の死亡事故も多数起こっているのですから。このように一方的に車の側につくような報道ばかり繰り返すということは、横暴なドライバーを更に勢いづかせることにしかならないでしょう。
最後には自転車運転の側が高額賠償を請求されるといったケースが紹介されていました。そういうこともあるのでしょうが、考えてみればそういうケースより車にはねられて死んでしまうということの方がはるかに多いのです。極めてレアなケースばかりを繰り返し報じ続けるというのは、自転車に対してのネガキャンに他なりません。こちらは全然報じられませんが、無保険無車検の車がかなりひどい事故を起こしている例も結構あるのです。その一方で生活道路においてまでも車は悪くない、自転車が悪い!というような報道を繰り返す。こうして作られたムードが事故処理や損害賠償交渉にも影響を与えかねません。