大阪交通ニュース(はてなブログ版)

交通弱者のためのニュースを追求します、あとコメントは承認制にしています。はてなダイアリーhttp://d.hatena.ne.jp/delalte/より移転しました。

マスコミによる一方的な自転車叩きは、歩行者にまでも危険を及ぼす

自転車に対する罰則制度が一部変わるとかいうこの6月1日近辺では、また各マスコミによる自転車叩きが猛威をふるっていたわけですが、その中でも歩道走行もかなり槍玉にあがって、一気に禁止に持ち込もうというような策謀的な報道も展開されていたわけです。しかし常態的に路上駐車が存在し、所によっては路肩の片側が自転車などには完全に封鎖されていたり(大阪なら長柄橋のところとか)、またヨロヨロ走る老人や、子供を乗せたりもしている買い物主婦にまでそれを要求するというのは到底無理というものです。車道走行の方が安全とか言っていた自転車問題専門家とかいうコメンテイターは、路上駐車のことについては一切触れないままなのですから、話になりませんね。もう一つ論拠に挙げていたのが、わき道から現れてくる車に巻き込まれなくて済む、ということでしたが、


このように突然現れてきては、歩道を封鎖したりもする車、それこそ通行を邪魔しているのですから、こちらの方を問題にすべきですよね。もちろん自転車だけでなく歩行者も巻き込まれます。実際こうした車の方が死亡事故も多数引き起こしていて、今年これまでだけで駐車場出入りの車による死亡事故はもう4件も起こっているのです。注意義務が問われなくてはならないのはいきなりわき道や駐車場から出てくる方でしょう。番組などでは自転車の歩道走行速度についても「歩くのよりちょっと早いくらい」などと、到底受け入れられないような自転車排除のための俺理論を振り回していましたが、それこそもっと危険なこうした車は、何の拘束も受けることなく結構速いスピードで出てきます。ここは車の側の注意義務を喚起しなければいけないというのに、被害者側に問題があるような言説を振りまく、まさにこういう言説こそが自転車のみならず歩行者までも危険に陥れることになるでしょう。
「後ろから追い抜かれてひやっとした」などと、とにかく自転車の危険ばかりが煽られているわけですが、
 

*1
こうした狭い道でも構わず猛スピードを出す車の方にこそよっぽど危険な思いをさせられますし、実際死亡事故も多数起こっています。産経新聞売店店長による飲酒死亡ひき逃げは、こうした狭い道で後ろから曲がり際に歩行者をひっかけ、何十メートルも引きずるというものでした、飲酒ひき逃げというだけではなく、発生形態も最悪級のものですね。こうした狭い道でも歩行者のことなどお構いなしに猛スピードを出す車、これを問題視する報道はスクールゾーンで子供の安全が絡まなければマスコミに取り上げられることは絶対にありませんし、またそれでやっと取り上げられたとしても、自転車叩きに費やされた時間に比べればほんの微々たるものです。自転車の加害に関してはリスクゼロを目指す勢いで、厳格な安全運転を執拗に要求しますが、車のすることに関してはほんと鷹揚なものです。マスコミはよく「自転車利用者が交通ルールを学ぶ場がない」などと言いますが、マスコミはこうした車の危険について一切無視するということによって、ドライバーが自らの危険な運転に関して自省をする機会をなくし、その上「一番危険な奴等は他にいるぞ(自転車のこと)」という報道を盛んに繰り返す。ますますドライバーは勢いづいて危険な運転をすることになり、その結果自転車はもちろん、歩行者までもより危険にさらされることになり、その危険は歩道の自転車が及ぼすものとは比較にならないほど大きなものでしょう

*1:2つ目の動画にミニバイクが止まっているのが見えていますが、それをかわそうとちょっと道路の内側に寄った瞬間に、このような猛スピードで容赦なく後ろから抜かされた車に一番ひやっとさせられましたね、突然のことだったのでその様子は動画に撮れていませんが。