大阪交通ニュース(はてなブログ版)

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サッチー騒動とはいったい何だったのか?

このことについては誰も語っていないようなので、私がやります。
あの騒動を一言で言えば、浅香光代という巨人ファンが当時阪神監督の野村克也夫人のサッチーこと沙知代氏をひたすら非難し続け、ついには阪神監督の野村克也氏も辞任に追い込まれたというものです。
あれももう11年前(騒動発生)から9年前(脱税で沙知代氏逮捕)の話になるんですよね、思い起こせばあの騒動発生は1999年のプロ野球開幕直前に突如持ち上がってきたものです*1浅香光代巨人ファン*2であることを知っていれば、わざわざこの時期にこの行動をとることは沙知代氏を攻撃することによって野村監督、ひいては開幕戦を巨人と闘う阪神にダメージを与える意図があったのは明確に推測できます。
野村監督が名監督であることに異論は無いでしょう、野村監督の凄いところは戦力が劣ったいわゆる弱小チームに乗り込んでいっては補強などのバックアップも十分とは思えない中でも必ず結果を残してきているところです、ヤクルトも野村監督が来た当時は決して強いチームでも資金が潤沢と思えるわけでもありませんでしたし楽天に至っては野村監督就任の前年には危うく100敗しそうなとこまで行ったチームでした、そういった中でヤクルトは4回優勝3回日本一という文句無い成績、楽天でも4年目にはシーズン2位でクライマックスシリーズ出場という素晴らしい実績を上げています、圧巻だったのは1995年でこの年野村監督のヤクルトは打線の主軸ハウエル、広沢選手を巨人に引き抜かれ不利を予想された中、いざ開幕してみるとぶっちぎりの優勝を果たしたのです、この年のみならず我が阪神タイガースが90年代は総じて情けなかった中、巨大戦力をそろえた巨人に互角以上に立ち向かえていたのが野村監督率いるヤクルトでした、私のようなアンチ巨人*3にとってこの頃の野村監督及びに古田捕手などはなんとも頼りになる存在でした、裏を返せば巨人ファンにとってはさぞや憎たらしかったことでしょう、その野村監督が今度は憎きライバルチーム阪神*4に行くというのです、そのことが巨人ファン浅香光代、及びもし居るとすればこの騒動の黒幕の神経を逆撫でしたのかもしれません、野村ヤクルトにボロクソにやられるところまでは何とか我慢できても、今度は阪神に同じようにやられるとあってはもう我慢の限界だったのかもしれません。
もちろん初期段階においてはこの騒動は浅香光代の私怨によって引き起こされたものだったのでしょうが、その後この騒動は日テレ、フジ、テレ朝各局*5のワイドショー番組において、裏で何らかの力でも働いているとしか思えないほど異常なもの凄い時間をかけて繰り返ししつこく取り上げられ続けヒートアップしていきます、内容も当初は浅香光代が沙知代氏を礼儀がなってないとか罵倒する100%私怨の言いがかりとでも言える話から始まり、沙知代氏のかなり過去の話を今さらまたほじくり返してきたりとか色んな話が出てきていましたがそのほとんどがどうでもいいと思える話でした、唯一少年野球チームにおける暴力についてはどうかなとも思いましたが、過去散々こういった運動部内で死亡事件まで起こってもろくに報じてこなかったマスコミが*6沙知代氏がらみの話だけ大々的に取り上げても白々しいだけです。
そしてこの騒動は沙知代氏選挙出馬時の虚偽経歴記載による公選法違反ということになって最高潮の盛り上がりを見せました、しかし2年も前の選挙の、それも落選した者の虚偽経歴が何でそれほどの大問題にならなければいけないのでしょうか、それなら2年前の選挙の時にこそ問題にしておかなければならないでしょう、そう、全てがこの調子で阪神監督夫人沙知代氏がヤクルト監督夫人時代の行状をほじくり返され大問題にされているのです、ヤクルト監督夫人の時には問題にしなかったくせに、まあ裏を返せばこんなことでしか沙知代氏を実際の罪に陥れる手段がこの時期ではなかったということでしょう。
そして2年後にはこれまたマスコミ主導で火をつけ、連続した報道によって当局をけしかけ無理矢理動かしたような脱税事件によって沙知代氏は逮捕され、NHKも含め全マスコミが一丸となった洪水のような報道の中*7、野村監督も辞任ということになってしまいます、当然野村克也監督を迎えるにあたって阪神球団は年棒3億×3年という大枚をはたいたわけであり、それはとりもなおさず球場に詰め掛けたファンの浄財なわけです、それらがマスコミのバッシングによって無意味になってしまったのです*8、そしてこういった騒動が起こっている間、関西マスコミは何をしていたのでしょうか?明らかにサッチー騒動は野村阪神にダメージを与える目的で行われていたものですが*9、この突然起こった理不尽なバッシングに異を唱えるような論調は日頃阪神のことばっかり報じている在阪スポーツ紙からも一切あがりませんでした*10、脱税騒動に至る時などはスポニチの記者コラムにおいて捜査を煽るようなことまで書かれていました、ようは阪神が大枚はたいて折角招聘した稀代の名監督が巨人ファンが口火を切った騒動により集中砲火を浴び、ついには辞めさせられるというその動きに対して阪神ファンの味方であるはずの在阪スポーツ紙などの関西マスコミは一切異を唱えず傍観していたばかりか、最後にはその動きに同調までしていたというわけです、思えば野村監督は就任後巨人(=読売)を刺激するような発言を度々していました、何らかの怒りに触れたのかもしれません、問題なのは阪神ファンの味方であるはずの在阪マスコミが阪神タイガースと読売の利害が対立したときにあっさり読売側に付いてしまったことです、それどころかこの少し後のデイリースポーツのコラムではこんなことまで書かれていました、
「マスコミを敵に回さん、それが特に阪神の監督をやる上では大事なんや」「どれだけ阪神の監督がマスコミの攻撃でつぶされたか」「そら相当なもんやでえ。それにマスコミを敵に回してしもうたら、たたく方もヒートアップしてくるやろうからなあ」
マスコミはどこまで増長するのでしょうか?浅香光代巨人ファンであることを隠蔽していたような読売に逆らえないマスコミが何を言い出すのでしょうか?常に阪神の勝利のために努力してきた歴代監督に比べマスコミは阪神の勝利の為に一体何をしてきたというのでしょうか?
この一連の騒動で思い知らされたのはマスコミ、そしてそのマスコミに指示を出しうる人物は、好きなようにどのような人物でも抹殺することが出来るということです、そして各マスコミは一旦そのような指示が出たら(指示でも出ているとしか思えません)良心を差し挟むことなく、一切の反論を認めないまま全マスコミ一致団結した行動をしていくのです、暴走と言ってもいいでしょう、そして、今思い返してみるとこのサッチー騒動というものは、全くどうでもいいような荒唐無稽な事柄でマスコミを盛り上げた時に受け手の反応がどのようなものになるのか、どれだけ世論を操れるのか、それを一般的には凶暴とされ、この件については利害関係も発生している阪神ファンをモルモットにして、どれだけの反発があるのか?沸点は一体どの程度のところにあるのか?どれだけ情報の受け手に損となるようなことを押し付けても騙し通せるのか?ということをを試してみた事例だとでも思えてきます、そしてどうなったかといえばサッチー叩きの世論は大いに盛り上がり(盛り上がったように見せることに成功した)せっかく大枚はたいて招聘した野村監督がマスコミによって潰されたときにも阪神ファンからは目に見えるような抗議の動きは全くありませんでした、この件以降誰だか知らないけどマスコミを操作しうる人物は自信を深めたのか、全マスコミが狂ったように一斉に動くような事例が多くなったように思えます*11
その後阪神は強くなり2回優勝して、ほとんどの阪神ファンは野村監督時代やサッチー騒動のことなどもう気に留めてもいないでしょう、ただあれ以降阪神は強くなったとはいえ日本一にはなっていないんですよね、ご存知の通り後任の星野監督は短期シリーズ最弱でしたし、2005年の時にはあたかも阪神ファンを挑発でもしているかのようなひどい判定の連発であっという間の4連敗でした、何やら阪神日本シリーズ制覇までは許されていないような気がします、まあ仕方が無いですね、阪神と巨人では実力が違いすぎますから、色んな意味で*12

*1:4月2日に巨人対阪神東京ドームでの開幕戦、浅香光代が最初に沙知代氏非難の声を上げたのはwikipediaによれば3月31日のラジオ放送

*2:1999年9月2日の報知新聞には巨人の長嶋監督留任を喜ぶ浅香光代という記事が載っています、その中には巨人の成績が落ち込んだ時は御利益があると評判の浅香のペット福猫太郎の手形13枚を送ったなどという記述もあります、この記事では浅香光代は長嶋ファンということまでしか確定的には書かれていませんでしたが少なくとも当時長嶋監督の指揮していた巨人のファンであったということには違いは無いでしょう、なんてことを書いた後にwikipediaを見たら浅香光代は巨人ファンとはっきり書かれていました、しかしこの日の報知新聞以外で浅香光代が巨人ファンであるという報道は全くありません。

*3:もちろん阪神ファンでもある。

*4:いや、巨人ファンにとってどれだけ阪神が憎きライバルチームなのかどうかは知らんけど。

*5:TBSは当時オウム事件の余波でワイドショー番組を持っていなかった。

*6:この年の後半には国士館大剣道部において死亡事件が起こっています、また2005年には京都の少年野球チームで死亡事件も起きていますがそれぞれの事件について取り上げたワイドショーは皆無です。

*7:2003年には北島三郎氏やジャニーズ事務所なども同程度の脱税額で摘発されていますが大して報道もされず逮捕者も出ていません、違いがありすぎます。

*8:野村監督の3年間も阪神が不振なままだったのにはこの騒動の影響もあるでしょう、まあこの間に井川選手の成長や赤星選手の獲得などもあったりと、まったく無駄な3年間ではなかったわけですが。

*9:でなければヤクルト監督時にやっとけよ。

*10:それどころか安部譲二氏などはデイリー紙上で浅香光代側につくことを早々と公言したりしています。

*11:例えば何としても(元)少年を吊るせ!というだけのことで全マスコミが狂ったように大合唱したりだとか。

*12:野村克也氏がもし巨人の監督だったらあんな騒動は起こっていなかった、というのは当時から言われていたことです。