大阪交通ニュース(はてなブログ版)

交通弱者のためのニュースを追求します、あとコメントは承認制にしています。はてなダイアリーhttp://d.hatena.ne.jp/delalte/より移転しました。

同じ歩道突入車による死亡事故を誘発した罪でも自転車だと実刑、一方、車だと起訴もされず。

こういう判決が出ましたね、

自転車横断で2人死亡事故誘発 被告に実刑判決 大阪地裁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111128-00000089-san-soci


産経新聞 11月28日(月)15時25分配信

 大阪市浪速区の国道25号で今年5月、タンクローリーが歩道に突っ込み男性2人が死亡した事故で、直前に自転車で国道を横断し事故を誘引したとして、重過失致死罪に問われた無職、越智茂被告(60)の判決公判が28日、大阪地裁で開かれた。真鍋秀永裁判官は「安易かつ身勝手な行動で事故を招いた」として、禁錮2年(求刑禁錮3年6月)の実刑を言い渡した。

 閉廷間際、越智被告は「車の運転手は人を死なせているのに、なんで不起訴やねん」と発言。真鍋裁判官は「あなたの横断に問題があったということです」と諭した。

 判決によると、越智被告は5月12日、浪速区日本橋東の国道25号を十分に安全確認せず自転車で横断。避けようとしたワゴン車が左車線のタンク車の前に割り込み、さらにタンク車が急ハンドルを切って歩道に突っ込み、男性2人を死亡させた。

 事故をめぐっては、ワゴン車とタンク車の運転手もそれぞれ逮捕されたが、大阪地検はいずれも嫌疑不十分で不起訴としている。

この事故において、この自転車の男性に強引にでも罪を着せて、それを大いに喧伝してしまえば歩道上においても多大な加害を与えうる自動車(これについては全くもってその通りなのですが)というイメージを打ち消せて、なおかつ横暴な運転をする自転車というイメージを拡散することが出来るという、マスコミに狂ったような自転車叩きをさせ、車の加害を覆い隠し、自転車の規制を強化しようと企む勢力にとってはいわば一挙両得、一粒で二度おいしいということになるのです、マスコミをあれだけ自由自在に操れるような勢力からすれば一つの事件の起訴や判決に影響を与えることなど造作も無いことなのでしょう。
一方7月に熊本で車で追突することによって、同様の車の歩道突入死亡事故を引き起こした容疑者は早速釈放され、

トラック運転手を釈放 熊本の小学生重体事故
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110715/kmt11071523540001-n1.htm

未だ起訴されたというニュースも目にしていないのです、ドライバーにとっても渋滞などで動けないところに追突されるというのは一番の恐怖なのではないでしょうか?何しろ自分で危機回避というものが全く出来ないまま巻き込まれるのですから、追突したのが大型車だったりしたら一挙に3人くらい亡くなる大事故にもすぐなり得ますし実際にそういう事故も多発しているのです、そういう重大な過失を犯したドライバーが、まあこの件については追突された方にもあわててアクセルを踏み込むという過失があったにせよ、未だ起訴もされず、一方ただ横断歩道も無いところで横断しただけという、高齢者ならしばしばやりがち、また横断歩道が全然無かったり、歩道橋の昇降を強制されたりするので、時にはやらざるおえないような行為をしただけで実刑と、あまりに責任の追及姿勢に差がありすぎ、交通弱者にとっては血も涙も無い司法だと言えるでしょう。
アメリカでは飲酒死亡ひき逃げの加害者より横断歩道の無いところを横断していた被害者のほうが過失を問われて思い刑を科せられそうになったということもありました、

横断歩道ない道渡り息子死亡…悲劇の母親に殺人罪
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110809/amr11080908320001-n1.htm

まさに今回のこの判決は日本の司法が、交通弱者の過失については厳しく追及される一方、ドライバーの過失責任はどんどん免責されていくという、力のある者には何事も有利に動いていく効率主義のアメリカ型に変容していくということの象徴ともなるのではないでしょうか。