大阪交通ニュース(はてなブログ版)

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アメリカ共和党は劣る得票数で下院過半を制圧、小選挙区制ゲリマンダーおそるまじ

この度のアメリカ大統領選でオバマ大統領は332人もの選挙人を獲得、総得票数でも300万以上の差を付け、まあ圧勝とは言わないまでも確実に再選を果たしたわけですが、同時に行われた下院選(全数改選)では共和党過半数を獲得、ねじれ議会で厳しい政権運営と言われています。日本のマスコミではオバマが勝ったといっても総得票数では大した差じゃないと盛んに言われたわけですが、それならばちょっとの得票差でも全体では大差につながるという小選挙区制選挙ではもっとそういうことは言われなければならないはずです、しかし実際の総得票数を含めそういった議論は一切聞きません、英語で調べればどうかはわかりませんが日本語で調べる限りでは下院選総得票数というものは全然出てきません。というわけで自分で調べてみました。
今回のアメリカ下院選、総得票数は、
民主党 5336万7021票 共和党 5180万6860票
となりました。
そして獲得議席*1はというと、
民主党 201議席 共和党 234議席
なんと共和党は劣る得票数で33も上回る議席を獲得したことになります、ただ無投票での勝利というのが民主15共和21あり、また民主同士の争いが5、共和同士が3あるのでそれらも無投票みたいなものとしてそれらの議席と得票数を抜くと、
民主党 5223万2226票 共和党 5125万8838票
で獲得議席は、
民主党 181議席 共和党 210議席
いずれにせよ共和党が少ない得票数で多数の議席を獲得したことには変わりはありません。
小選挙区制では区割りを操作することによって片側に有利にしてしまうというゲリマンダーという手法があるといいます、特に、
ペンシルベニア 民主272万2560票 5議席 共和265万2901票 13議席
ミシガン 民主232万4884票 5議席 共和208万3613票 9議席
ノースカロライナ 民主221万9165票 4議席(1未確定) 共和214万3118票 9議席
このあたりがひどい感じですね、得票が民主>共和で獲得議席が民主<共和というところは6州ありますが、その逆はゼロです*2
小選挙区制とは一票の格差とか少数意見の黙殺とか言う以前に民意を激しく歪める(それも人為的に)可能性がある非常に危険なものであると言えます、今日のよみうりテレビミヤネ屋では(日本の)民主党の安住氏が出演していて議員削減(イコール比例代表減すなわち小選挙区割合上昇)があたかも正義みたいなことをまくし立てていましたが、民意をはなはだしく損なうこうした乱暴な議論を許してはいけません。

*1:未決議席が6つありますが、現在出ている順位のまま民主5共和1で確定するものとします

*2:ただこの中でジョージアは共和無投票勝ちが3、コロラドは1ありますからこの2州に関しては別に考える必要があります