大阪交通ニュース(はてなブログ版)

交通弱者のためのニュースを追求します、あとコメントは承認制にしています。はてなダイアリーhttp://d.hatena.ne.jp/delalte/より移転しました。

停電危機を煽り立てる為なら休止火力の再開などサボタージュしてやるぜ

この関西においても今夏は電力不足が喧伝され、関電によって15%の節電を求められている状況なのですが、それに関して以前から不思議に思っていたのは「休止火力の再開はどうなってるの?」ということです。この件に関しては今まで報道は全く皆無だったのですが、6月25日の朝日新聞(恐らく関西版のみ)に関電の電力状況について詳しく書かれた特集があり、その中には長期休止火力として計240万kwがあり、この出力は(同意が得られず)再稼動出来ない原発の合計318万kwに迫るくらいなのですが、この記事にはこうもあります

長期休止火力とは、新規発電所の立地がうまくいかない場合に備え、完全には取り壊さないで残してある火力のこと。整備が不十分で、立ち上げには2〜3年必要。

とあります、この記事を読むだけでは休止火力は今夏、来夏の電力不足解消には役立たないのか?とも思ってしまうところなのですが、その一方ではちょっと検索しただけでこんな記事も見つかるのです、

電力確保 休眠火力再稼働に2〜3カ月 老朽化、原油調達など課題も
2011.3.18 20:17 (2/2ページ)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110318/biz11031820190037-n2.htm
 資源エネルギー庁は、休眠火力発電所の立ち上げには最低でも2〜3カ月かかるとしているが、比較的早い再開が期待できるのは、横須賀火力発電所(神奈川県横須賀市)の7、8号機だ。同発電所は、平成19年7月の新潟県中越沖地震による東電柏崎刈羽原発の停止に伴って再開させた。同原発の主力の6、7号機の再開後、22年4月に長期停止を視野に入れて停止したばかりで、比較的早期の立ち上げが可能とみられる。

 東電は、3発電所、10基で約280万キロワット分の休眠火力発電所を持つ。

 電力業界には、「休眠火力の復旧には数カ月かかる」との見通しもあるが、一律ではない。中には休止が長期にわたり、老朽化しているものも少なくなく、大半を復旧するにはさらに時間が必要だ。

 また、東日本震災で3発電所の4基が停止中の東北電力も、休眠中の東新潟火力発電所の一部を再開する方向で検討に入った。

 ただ、今後の火力発電の大規模な再開には、燃料となる石油や液化天然ガス(LNG)の安定調達や物流網整備が課題だ。

 LNG調達では、政府や東電、大手商社などが、カタールやロシアのプロジェクトで日本向けの調達を水面下で交渉している。これに対し、産業界のLNGへの燃料転換で、燃料向けの重油は需要は大きく減少。精製設備や輸送手段が大幅に削減されており、設備の増設は容易ではない。

火力再開へ 中部電力、需給両面から対策
http://sankei.jp.msn.com/science/news/110514/scn11051419200004-n1.htm
2011.5.14 19:18

 中部電力は14日、浜岡原発静岡県御前崎市)が全面停止したのを受け、武豊(愛知県武豊町)や知多第2(同県知多市)などの火力発電所で休止中の施設を再開、企業には節電を求めるなど需給両面の対策を本格化させる。

 浜岡原発の出力は、定期検査で停止している3号機を含め、供給力の約12%に当たる計約360万キロワット。需給の逼迫は必至で、老朽化し効率が悪いため休止していた火力発電所の再開を急ぐ。

 武豊3号機はすぐに立ち上げられるが、これだけでは需要が高まる7、8月の供給余力は2〜3%程度。猛暑になれば電力不足になりかねないため、知多第2や西名古屋(同県飛島村)など5火力発電所6基の運転再開も準備中だ。ただ点検のため、再稼働には3カ月から1年ほどかかる。

これらの記事だと休止(休眠)火力の再稼動には2〜3ヶ月、3ヶ月〜1年と全然言っていることが違います、
福島第一、第二原発が完全に使えなくなり、またいくつかの火力発電所も被害を受けた東電 2〜3ヶ月
浜岡原発停止命令を出された中電 3ヶ月〜1年
定期検査中の原発数機の再開を渋られているだけの関電 2〜3年
何だか事態の深刻さに応じて再稼動までの期間が変化しているようです、また東電や中電と違い関電がこの休止火力再起動に実際に動いているかどうかの情報も全くありませんし、あと5月には都合悪く(都合良く?)舞鶴1号機(火力90万kw)も故障で停止したということで(この件に関してのニュースも全く聞かないのですが)、また東電のように急遽ガスタービン発電を急遽新設するなどということも聞かれません、結局関電に関しては節電を要求している割には停電、電力不足の回避に何か動いている、努力しているというところがほとんど見られません、むしろ意図的に電力危機を作ろうとしているのではないか?と思えるくらいです、よくささやかれている通りに広がりつつある脱原発の意識に水を差すために、そして原発が無いと困る、原発は必要だ、という意識を植え付けさせる為にいたずらに危機を煽り立てているのではないでしょうか。
まあ結局のところ電力会社がこの関電みたいに火力の再整備に関してサボタージュを続ければいつまでも電力危機を続かせていくことが出来るわけです(それこそ原発を再開させるまで)、そこのところにはマスコミが指摘と批判を加えなければどうしようもないのですが、休止火力の存在自体や「もんじゅ*1のことも完全に隠蔽している関西マスコミではどうしようもありません。

*1:もんじゅ」のことを取り上げるということは、巨額の金をつぎ込み、また多大な危険をはらみながらも全く成果が見られず、しかし原発を続けるのであれば引くに引けない「動燃サイクル」というどうしようもないものにも目を向けさせてしまうということでもあります。