大阪交通ニュース(はてなブログ版)

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NHK大阪の「ストップ危ない自転車」について

NHK大阪、夕方大阪ローカルニュース番組「ニュースほっと関西」、何やら「ストップ危ない自転車」と題して一昨日、昨日と2日にわたってコーナーがあり、一昨日の分は20分近くもありました。まずスマホながら運転している自転車を映し出し、対歩行者事故が増えている、などと危険を煽ります。つい最近にはやっと車の方のスマホながら運転を追及する動きが民放などの方では見られたわけですが、少なくともNHK大阪では見ていません。NHK大阪は合いも変わらず車のことは無視したまま自転車のスマホながら運転ばかりを取り上げ続けるのですね。次には大阪の自転車事故は全国最多と、そして毎度おなじみ自転車の対歩行者事故が増えていっているというグラフが映し出されます。ただこれも毎度言っていることではあるのですが、事故件数というのは警察の裁量である程度増減させられることも出来ると思われるのですね、どうせだったらその事故被害歩行者の負傷者がどれくらい発生しているか、増加しているか、ということも発表してもらえればデータの説得力も増すかとも思われるわけですが、それは一切見ないままなわけです。番組の後半では自転車死亡事故、自転車側の過失が列挙されたフリップも映し出されます、一時期大阪府がしきりに言っていた大阪での事故、自転車側の過失が8割、死亡事故では9割あるというものですね、今回のフリップでその内訳もある程度わかりました、それによれば昨年の自転車死亡事故50件中安全不確認17人、信号無視13人、ハンドル・ブレーキ操作5人、前方不注意4人、ということです、しかし一時の報道では「信号無視などの過失が8割〜」などとなっていたわけで、あたかも皆信号無視をしているかのように報じられていたわけですが、実際には信号無視はそんなに多くなく、どうとでもとれるような安全不確認などの方が多数だったわけですね。そして自転車の過失が関連事故中8割、死亡事故中9割とか言っていたときからそうだったのですが、自転車の過失ばかり明るみにされ、追求されているわけで、一方事故相手の側の過失は全くもって取り上げられず、黙殺されているということになります。どちらがより重い事故責任があるかという「第1当事者」というデータもあるのですが、大阪府関連の発表、マスコミ報道では一切それを見たことはありません。一方全国のデータなら最新の交通安全白書にも載っていました。
 

平成26年交通事故死者状態別、自転車乗車中は540人となっています。そして死亡事故の第1当事者は自転車は214件、もちろん対歩行者など自転車が加害者となる死亡事故もあるでしょうが、年間数件としてとりあえず考えないこととすると、自転車死者540人に比べ、第1当事者は214件、半分以下となりますね。もちろん大阪府の数字はまた別のものとなるのでしょうが、8割9割などと言い立てるのは自転車の過失ばかりを激しく強調しているというところですね。自転車の過失ばかりを強調していれば、死亡事故などではそれこそ自動車側の保険会社の思惑に乗って死人に口なし事故処理をされるという、その後押しにもなかねません。また、NHK大阪は報じていませんが、こういう事件もありました、

路上で会社員切られけが、「何やお前ら」車から降り因縁? 大阪・生野
http://www.sankei.com/west/news/160412/wst1604120039-n1.html

後ろからクラクションを鳴らした挙句、刃物で切りつけ、ひどいですね。ここまでひどいドライバーの行状は黙殺して、一方自転車については危険などと大きくキャンペーンを行う、まるでNHK大阪は凶暴ドライバーの後押しをしているかのようですね。