大阪交通ニュース(はてなブログ版)

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原発再稼動が必要などと言われても、その声には切実さが足りない。

何やら大飯原発再稼動に向けての動きが急ですが、あんな大事故の後で再稼動が必要などといえば、かなりの理由が必要なわけであり、それが関電管内の電力不足ということなのでしょうが、マスコミの報道などを見ていても全然切実感が無いわけですね。本当に電力不足が深刻だ、などと言うのなら、それこそ今のうちから大々的に節電の訴え、電力制限の具体的計画、停電、計画停電の可能性についても報じられていなければなりませんし、また休止火力の復帰状況、新たな火力発電所の建設、計画についても逐一詳細な報道がなされていなければならないのですが、そういうものが全く見られないわけです、休止火力についても東電は数ヶ月で使用可能にしたものを、関電は再開には2〜3年もかかるなどと寝ぼけたことを言っているわけです、マスコミもそれに関して批判を加えるでなく、かといって大々的にPRするでもなくアリバイ的にちらっと出すだけ、まるで突っ込まれるのを恐れるかのような臆病ぶりです、とにかく電力不足などと言われても全くもって情報不足、何だかところどころ伏せているような歯切れの悪い、説得力の無い報道しかないわけです。
今、何だか反原発の旗頭みたいになっている橋下市長にしても、平松前市長が計画していた大阪湾脱原発に向けてのガスタービン発電所計画を潰したなどといわれているわけであり、本当に関西の電力が危機なのであればこのことももっと大きく報じられてなければならない筈なのです。結局昨夏にしてもかなりの原発が止まっていて、また休止火力もまだほとんど止まっていたにも関わらず電力不足などという事態は全く無かったわけです、とすれば今夏も原発が全部止まっていても関電が隠し持っている休止火力が全部再開されれば大丈夫という簡単な計算も成り立つわけです、それがわかっているからこそマスコミの報道にも迫力が無く、橋下市長もガスタービン計画を易々と潰したというわけなのでしょう。
今日のよみうりテレビ関西ローカルワイドten!を見ていても、民主党の安全評価に関しては批判を加えつつ、所々で繰り返し「原発再稼動はいずれ避けられない」などと言い、原発は必要だ、と言っていたわけですが、その言葉には何の裏付けも無く、この番組が「民主党の安全宣言には説得力が無い」と断じていたのと同様、この番組が原発は必要だ、と言い切ることに関しても説得力が全く感じられなかったわけです、そもそも「原発再稼動はいずれ避けられない」なんて言っていましたが、新たな火力整備が間に合わない、という観点からすれば、最も電力需給が危ないのは今夏であり、「いずれ」なんて言い方は全くもっておかしいわけです、もっとも関電が火力整備をサボタージュし続けていればこの状況は続くわけですが、そうなった場合は火力整備を迫ることを全くしなかったマスコミの責任というものも問われるべきです。
そもそも関電は10年ほど前に、それこそトラブル続きのどうしようもない老朽原発美浜1号よりも新しいものまで含めて、大量に火力発電所を廃止しているわけであり、今夏電力不足などという事態になっても、その危機はいわば人工的に作り出されたものであり、その危機を作り出したのは、まずは関電ですが、その動きに対して全く無批判だったマスコミにも非常に大きな責任があったと言えるでしょう。