大阪交通ニュース(はてなブログ版)

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自転車歩道走行を問題視するあまり、ついには車の横暴な歩道利用を容認するに至った毎日新聞

今日の毎日新聞サイトにこんな記事が出ていました。

自転車事故:歩道上が増加、車道上は減少…昨年、件数逆転
http://mainichi.jp/select/news/20120718k0000m040140000c.html
 ここ10年間で自転車の車道上事故が大幅に減ったのに対し、歩道上事故は逆に増加し、昨年は車道上事故を件数で上回ったことが、民間研究機関の分析から分かった。歩道上事故の相手は74%が車だったことも判明。研究機関の担当者は「行政が長年、自転車の歩道走行を誘導してきた結果」と指摘している。
◇民間機関分析
 旧建設省OBで自転車政策が専門の古倉宗治・三井住友トラスト基礎研究所研究理事が、警察庁の事故統計と、公益財団法人「交通事故総合分析センター」に委託した調査を基に分析した。

 それによると、自転車事故は01年に全国で17万5223件だったが、11年は14万4018件で18%減少した。発生場所は、最多の交差点内が12万4574件から9万7976件へと21%の減。歩道と車道が分けられた道路では、車道上の事故が2万2035件から1万3236件になり40%の大幅減だった。これに対し、歩道上の事故は1万2531件から1万3626件へと9%増加し、11年は車道上事故を逆転していた。歩道と車道の区分がないところも1万3117件から1万5156件に16%増えていた。

自転車の歩道上での事故が増えたがその相手74%が車、これは歩道上でも車がどれだけ横暴に振舞ってきたことによる結果なのではないのでしょうか、実際このような事例などいくらでも日常的に目撃しているのですが、
 
 
自転車が歩道上で歩行者相手に事故を起こそうものなら乱暴に「全て自転車の責任だ!!」と断じるくせに、その歩道上で車が事故を起こしても「行政が長年、自転車の歩道走行を誘導してきた結果」とかまるで被害者の自転車側に責任があるかのような、そしてそれを野放しにしてきた行政に責任があるかのような言い方、これはひどいでしょう。言ってみれば「歩道上の自転車を規制しなければ歩道上を車の駐車場、及び出入り口としての安全で快適な利用に支障があるではないか」ということですからね、自転車の加害については目くじら立てて追求するくせに、被害に遭った時には車の横暴さは見てみぬふりで逆に言いがかりのような難くせをつけ強引にでも加害者扱い、これはもう理不尽ないじめとでも言うしかないでしょう。
記事の後半では自転車の交差点内、車道上の事故減と歩道上事故増、そして歩道上事故が車道上の分を上回ったことも書かれていますが、交差点内、車道上の事故減は大幅減であり、歩道上事故増はほんの小幅です、これは危険な車道から安全な歩道への移行がうまくいっている証明なのではないのでしょうか。全体の大幅事故減というメリットには全く目を向けず、とにかく自転車の歩道上事故を槍玉にすることにこだわる、交通安全よりもとにかく自転車への罪の追求のみを優先するというこの姿勢、背筋が寒くなります。
原理主義的に自転車の歩道走行を問題視し続け、ついには野放図な車の歩道利用まで容認するに至ったというわけです、あまりにひどすぎますね。