東京都が企んでいる自転車ナンバー制、それについて昨日もこんなニュースが出ていました、
自転車にナンバー義務化、都に提案
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20120910-00000038-jnn-soci
この中で見逃せない発言があります、
「自転車を使っている人よりも、迷惑を受けている人の方が多い」（政策研究センター 森地 茂 所長）
どういうことでしょうか？多数派の不満を押し出せば少数派の権利などどんどん圧殺しいっても構わないという宣言でしょうか？
だいたいどういう数字の取り方で、
自転車利用者＜迷惑受けている人
ということになったのでしょうか？自転車の及ぼす迷惑はマスコミによって増幅され、それで不満も大きく見えるだけの話ではないのでしょうか。一方車の及ぼす迷惑、危険をマスコミは徹底的に矮小化します。
東京都は自転車の放置が深刻で撤去に百何十億もかかるからとも言って自転車ナンバー制を目論んでいるわけですが、前にも書きましたが東京都内の放置自転車の状況などワースト３という駅前でもせいぜい、
この程度のもの、一方その同じ駅前での路上駐車は、
この有様、あわよくばナンバー制導入をと目論み自転車ばかり目の敵にする一方で路上駐車に関しては全然取締りが不十分で危険を放置したままでいるとしか言えません。
また迷惑行為ということについても
これだけの迷惑行為をしでかしてもマスコミがこれらを取り上げることは決してありません、私も歩行者として自転車に対して迷惑だなと感じることも無いではありませんが、車に対してはその何十倍もの迷惑と危険を感じていますが*1、自転車の迷惑を散々言い立て圧殺的な規制をする一方で車の迷惑行為は野放し、そういうことでいいのでしょうか？そんなに自転車の違反に対して徹底的に取り締まるというのなら、私も常々我慢している車のこうした行為についてもどんどん通報していかなければならないのかもしれません。
そしてこの提言をした懇談会、学識経験者の他に、トラック、バスなどの業界団体が加わっているとか*2、それは道路上で直接対峙している利害対立者じゃないですか、そうしたいわば道路上での強者が欲しいがままに弱者への規制策を推進すると、果たしてこれは民主主義と言えるのでしょうかね、
「迷惑を受けている人の方が多い」
バス、トラック業界の及ぼしているこうした迷惑についてはどうしてくれるのでしょうかね。
そもそも自転車が車道走行ということになると一番脅威で危険なのが図体のでかいバス、トラックなのですが、言ってしまえばこちらからすればバス、トラックなど存在自体が迷惑です、それとも自転車が車道走行ということになると事故加害を与えかねないので先手を取って排除してしまおうという魂胆でしょうか？だいたい道路上に限らずこの社会というものは常に誰もが迷惑をかけ、そしてかけられながら生活をしているもの、具体的な被害の数字ということも無く*3迷惑だからとどんな強圧的な規制をかけていいというのならそれこそ少数派ということに限らず、警察とグルとなったマスコミが言い立てたものには当局の思うがままに好きなだけの規制かけられ、ついには存在権を否定することも可能となってしまいます。
そもそもこの自転車ナンバー制などというもの、世界でまだ例を見ないものです、世界に先駆けて自転車に対して厳しい規制を科すというのなら、その前によっぽど大きな危険を及ぼし続けている車に対する規制をちゃんとして、安全性を向上させてからにして欲しいものです。日本の歩行中死亡事故発生確率は先進国中ワーストワン*4、その加害は自転車などではなくほとんど全てが車によるものなのです、よっぽど危険な車、弱者保護のことなど考えていない劣悪な道路行政を改善することの方がよっぽど先決です。それを放置したまま自転車に対しては世界一厳しい強圧的な規制を科すなどということになれば東京都は世界中の笑いものとなることに間違いありません。
*1:だいたいほんのすぐ前に赤信号が見えているにも関わらず直ぐ横を猛スピードで走り抜けていくのですから、馬鹿なんじゃないかと思います
*2:私がこの情報を知った日経の記事、http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1003K_Q2A910C1CC1000/昨日私が見た時と違い今見れるものでは「同懇談会は学識経験者のほか、トラック、バスなどの業界団体らで構成。」というところが消されてしまっています、実に姑息ですね。
*3:被害者数を明らかにすることなくただ事故数が増えたと言い立てるのも論外です
*4:韓国、中国はその上をいきますが
