大阪交通ニュース(はてなブログ版)

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マスコミの差別的姿勢を象徴する大谷昭宏氏の言説

昨日(10月9日)のテレビ朝日夕方ニュース番組「スーパーJチャンネル」にて所沢での歩行者の集団に車で故意に突っ込んだ事件について扱われていました。この事件はドライバーが歩行者の列が車道脇のラインからはみ出していたことに端を発したものだったわけですが、ニュース画像を見る限りにおいてはそのライン外側は極めて狭いものでしかなく、このドライバーを満足させる為には歩道も無いこの道において歩行者はまるで道路の端にへばりつくようにしていなければなりません。まして車というものは後方から突然やって来るもの、常に後方からの車に備えて道路の端にへばりついてなければならないとしたら窮屈極まりなく、ただ道を行くだけでも大きな負担を負わなければならないということになります。そもそもあのラインはせめてその中だけでも歩行者のスペースが確保出来るようにというはずのものであり、歩行者側に向けて車の邪魔にならないように常にそこから出てくるな!というものでは決してないはずです。歩道上では歩行者の安全の為に自転車を追放し、分離を図るというのが最近のマスコミの論調、行政の方針なわけで、その観点から言えば歩道も無いような狭い道でも歩行者の安全は何よりも尊重されなければならないはずで(そもそもこういうところでこそ歩行者被害事故は多く発生しているはずですが)、そこで殊更車の優先権を暴力的に主張したこの事件、このような行為は激しく批判されなければならないはずなのですが、それについてのコメンテイター大谷昭宏氏の発言は、

「あんまりギクシャクするなよ、一呼吸置いてさあ。」

というもので、まるでどっちもどっち、喧嘩両成敗的なものでした、歩道上においては歩行者の安全が絶対だというのに、ひとたび車道上に舞台が移ればどっちもどっち、どっちも悪いから「ギクシャクするなよ」とか言い出すのです。
これだけでも十分差別的と言えるのですが、以前の放送内容、大谷氏の発言も参照してみればこの番組の差別性がより浮かび上がってきます。今年の6月18日のこの番組「スーパーJチャンネル」では自転車の少年らが運転マナーを注意されて逆切れし、金を奪ったという事件について扱われていたのですが、それについてのコメンテイター大谷昭宏氏の発言は、

「だいたい老若男女、どこでも自転車のマナーはひどい、タクシー運転手も自転車の運転はひどいが事故を起こすとこちらの責任になってしまう、東京都は自転車ナンバーというものを考えているようだがきちんとした対策を取らなければ。」

といったほんの一少年グループの悪事から自転車全体のマナーを激しく糾弾し、規制への流れをいきなり煽り立てるようなものになります。「ギクシャクするなよ」となだめて見せた車に対する発言とはあまりに何もかも違いすぎると言えるでしょう。
そもそも番組内容からして昨日のものは歩行者側が反撃したものも紹介してどっちもどっち論を補強、一方6月の自転車の方はその前にマナーの悪いという映像を大々的に流して自転車悪者論を展開するものでした。自転車については全力で危険を煽り、いきなり規制強化を主張するのに対し、車についてはどっちもどっちとなだめにかかる(そして車の権限、横暴運転は温存される)、このあまりに差別的なマスコミの姿勢が如実に現れているのがこのテレ朝スーパーJチャンネルという番組、そしてコメンテイター大谷昭宏氏の発言だと言えるでしょう。