大阪交通ニュース(はてなブログ版)

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すり抜けバイクを糾弾しながら、仲本工事氏をはねた車の責任は一切問わないテレ朝モーニングショー見事なダブスタ

一昨日10月26日にはTBS昼ワイドひるおびの自転車叩きが余りに酷かったわけですが、その日の朝にはテレビ朝日ワイドショー番組「羽鳥慎一のモーニングショー」がバイクのすり抜けについて扱っていましたね、猛スピードで車の脇を、そして間を縫うようにすり抜けていくバイクをやはり糾弾口調で取り上げていきます。まあその猛スピードですり抜けていく様は確かに危なっかしく見えるのですが、私も自転車で走っていて、狭いところや路上駐車があるようなところにもかかわらず、猛スピードですれすれを走り抜けていく車に怖い思いをすることなどいくらでもありますし、またそれはバイク乗りの方も同様の思いをしているのではないでしょうか。一番危険な車のそういう行為は一切取り扱うことのないまま、今回はそれに比べれば弱い立場のバイクの行為のみを取り上げるというのは極めて一方的に思われます。そして実際に起こった事故映像として、車の脇を走り抜けていくバイクと、店などに入るために対向車線から右折してきた車との事故映像が複数紹介されていました。もちろんそれらはバイクの側に一方的に非があるかのような文脈で紹介されていたわけですが、ちょっと考えてみればこの事故の形態は、ほんの少し前、10月18日に元ドリフターズ仲本工事氏の死亡するに至った交通事故と全く同じ形態だとわかるわけですね。しかし、その時にはすり抜けバイクの件とは違い、はねた方の車の責任を追及する声は全くありませんでした、このテレビ朝日羽鳥慎一のモーニングショー」でも10月19日の放送で、はねた車の責任は一切問うことなく、歩行者側に向けての指摘や注意喚起に終始していました。

そういえば車による店への出入り、店によっては対向車線側からの出入りを禁止しているところもあるのですね、対向車線からの右折というのはやはりある程度は危険な行為と言えるのではないでしょうか、交差点でもないところから不意に出てくるという点では仲本氏のケースと何ら変わらないわけです。何より歩行者はもとより、バイクに対しても車は被害を及ぼす強者なわけです、仲本氏は命を失い、今回の事故映像でもバイクの乗車者は転倒して痛々しい姿をさらしていました、その力関係を考えれば車の側により重い注意義務が課されるのは当然のことです。車と被害者、位置関係を逆にした同じ形態の事故であるにも関わらず、とにかく車は悪くない、被害者側が悪い、という真逆の結論を10日もしないうちに続けて披露して見せたこの番組は、見事な車優先社会万歳の御都合主義のダブルスタンダード、またそれを恥とも思っていないということが言えるでしょう。