大阪交通ニュース(はてなブログ版)

交通弱者のためのニュースを追求します、あとコメントは承認制にしています。はてなダイアリーhttp://d.hatena.ne.jp/delalte/より移転しました。

法や行政をも動かす、動かそうとする集中的な自転車叩き報道

ちょっと今年度に入ってからはあまりテレビでは自転車叩きは見られないのですが、それでは以前はどうだったでしょうか?
2005年以降4半期毎にテレビでどれだけ自転車叩き(放置自転車関連は除く)が行われたか、大雑把にですがチェックしておいたので、その回数を見てみましょう。
>ちなみに数字はまず出ているのが全国枠、カッコ内のが関西ローカルのものとなります。      
       1〜3月 4〜6月 7〜9月 10〜12月
2005年  1(0)   0(5)   0(1)    2(0)
2006年  0(1)   3(3)   0(2)    1(0)
2007年  3(1)   5(8)   1(4)    4(0)
2008年  8(3)   5(3)   0(2)    1(0)
2009年  1(1)   1(3)   0(1)    2(1)
2010年  1(5)                   <
となります、何だか4〜6月に多いようですがこれは自転車通勤や通学を始めようとする人を思いとどまらせる、嫌気を起こさせる為のものと思われます*1、そして2007年から2008年の前半においても多いのが目に留まります、この頃何があったかといいますと、2007年5月には危険致死傷罪の制定により悪質交通事故加害者の重罰化、2007年9月には改正された道交法が施行され、飲酒運転、ひき逃げの罰則強化など主に自動車の交通事故、違反に対する全般的な厳罰化の動きがありました、そういった動きに対する牽制の目的、及びに鬱憤晴らしが各マスコミを自転車叩きに向かわせたものと推測することも出来ます。そういえば2002年4月25日にはNHKクローズアップ現代で「急増 自転車の加害事故」と題した番組を放送しましたが、これも2002年6月の飲酒運転、事故などの悪質交通事故の重罰化を定めた道交法改正の施行を前にした時期の放送でした、思えばこの番組が自転車叩きキャンペーンの先駆けとして象徴的なものであり、これ以降各マスコミに自転車叩き報道があふれるようになった印象もあります、自転車叩き報道を激化させることによって自動車叩きの風潮*2をかき消そうという算段か*3それとも自動車は厳罰化されたんだから自転車も厳罰化しろ!という怨念か、大阪府警のホームページによれば2008年12月施行で道路交通規則が一部改正され自転車の携帯ながら運転などが禁止されたと出ていますし、その他にも全国的に自転車の運転に対してより法の規制を加えよう、厳罰化しようという動きが見られました*4、この集中的な自転車叩き報道もこういった動きに寄与していることでしょう。
また2006年6月には駐車違反取締りの民間委託、いわゆる駐車監視員が導入されましたが、これなどはテレビ局員など各マスコミ構成員などにとっても直接影響するいわば鬱陶しい出来事だったのではないでしょうか*5、それへの牽制の為だったのか2005年にはいわゆる放置自転車叩きが増えています。
自転車の危険運転にせよ放置自転車にせよそれに対する不満の声があるというのは確かに事実なのでしょう、しかしその声は色んな思惑や利害関係などによって突き動かされた各マスコミにより増幅されたものであると言えるでしょう。

*1:当然自転車通勤、通学が増えれば電鉄やバス会社の利用者減となります、それがマイカーや徒歩の代替で無い限りは。

*2:もちろん2002年の法改正は1999年の東名事故の、2007年の分は2006年の福岡の事故の発生による飲酒運転への怒りの声によってなされたものであることは言うまでも無いでしょう。

*3:それでも自動車の方は飲酒して被害者複数死亡事故とか何キロも引きずりひき逃げ死亡とかでやっとこさ叩きの対象になるのに自転車の方は普通に乗っているだけで叩かれるんですよね。

*4:自転車に赤キップとかいうやつですね。

*5:この制度が導入された頃、各局のワイドショーはこれへの抗議の声を取り上げる、というよりは抗議そのものの内容を放送していました、いわゆる放置自転車に対しては厳罰化賛成一辺倒なのとは大違いでした。