大阪交通ニュース(はてなブログ版)

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ジョブカードなど求職者にとって百害あって一利なし、廃止は当然

今回の仕分けによってジョブカード事業は廃止となったようです、このジョブカードというもの、何か求職者にとって益はあったのでしょうか?何やらこの制度では職業能力形成プログラムなどを行い、それからジョブカードを発行して就職につなげるとか、だったらその「職業能力形成プログラム」だけ行えばいいのです、何故カードが必要なのでしょう?ジョブカードがあったところでどうせ履歴書を書く作業は必要なのでしょうし、その「職業能力形成プログラム」のこともどうせ履歴書にも書く事になるのでしょう、だったらジョブカードなどあっても無くても関係ないことなのではないでしょうか?ジョブカードがあれば履歴書など書く手間も無く、それを職安に出すだけで職が得られるというくらいになって初めて求職者側にメリットが生まれてくると言えるのではないでしょうか?
一方この制度は雇用側にとってはメリットてんこ盛りです、まず求職者は履歴書でウソ、ごまかしが一切出来なくなる、これは雇用者にとって大きなメリット、求職者にとっては大きなデメリットです。
次に、

【フォーカス】なぜ?高校新卒者だけ優遇 就職支援、インフル対応 宮城
http://sankei.jp.msn.com/region/tohoku/miyagi/091203/myg0912030211002-n1.htm

この記事の中には、

職業訓練などの履歴や第三者による評価など、通常の履歴書にはない情報を専用のカードに記入し、

という記述がありました、求職の際に求職者は自らも知らないようなデータを記されたカードを提出しなければならないというのです、非常に気持ち悪い事ではないでしょうか?大人になってまでこういった内申書的なものに縛り付けようというのでしょうか?しかしまだこの記載されるデータの中身が「職業訓練の第三者による評価」ということだけに留まるのならまだ内申書的なもので済みます、これに記入されるデータの範囲が知らぬ間に次々と拡大されていったらどうでしょう、思想、支持政党、組合活動歴、信仰、性格、性癖、趣味、人脈、異性関係、離職の本当の理由、どれだけ反抗的か、どこまで文句言わずに無理難題に従うか、などといった本人も隠したいような情報が記されているとしたら、そしてそのカードを求職の時には必ず提出しなければならないとしたら、まあこういったブラックリスト的なものは既に作られていて、身元調査によって企業側は情報を知ろうと思えばある程度は知ることが出来るのかもしれないのですが、ジョブカードをこうした事に利用できればその手間は大いに省け、一気に網羅的な情報が企業群によって共有されることになります、それに知られたくないような情報が記されているかもしれないカードを自ら提出しなければならないとは、隠したい不利な情報も自らデリバリーしなければならなくなるとしたらそれはなんと屈辱的なことでしょうか。
思えば「再チャレンジ」を掲げた安倍政権が具体的に出してきた政策がこれだけだったことに非常に拍子抜けした記憶があります、そして惨敗した参院選前にも再びこの話が持ち出されていたものです、こんなちょっと聞いただけでも嫌悪感を催すようなものを掲げたところで政権浮揚になるわけないでしょう。
そしてこの制度が持ち上がった時にやたらと日経新聞が取り上げ、導入に積極的だったことが思いおこされます、日経が推し進めるようなものがろくなものであるわけありません。