大阪交通ニュース(はてなブログ版)

交通弱者のためのニュースを追求します、あとコメントは承認制にしています。はてなダイアリーhttp://d.hatena.ne.jp/delalte/より移転しました。

自転車叩きの摂津市ツアー

大阪府摂津市は自転車を殊更槍玉にするような条例を打ち出したわけですが、

摂津市:危険自転車、警察に通報 安全利用条例案を市議会に提案 /大阪
http://mainichi.jp/area/osaka/archive/news/2012/02/23/20120223ddlk27010363000c.html

このニュース、とうとう車の死亡ひき逃げもろくに報じないようになってきた5大紙大阪版が、こと自転車を槍玉にするようなニュースとなると途端に喰いついてきて、揃って報じられていましたね、またテレビでも取り上げられており、特に朝日放送はまた例のごとく撮ってきた動画を見せ、「あ、信号が赤のうちから見切り発車を」「横断歩道では無いところを猛スピードで」とか相変わらずの自転車叩きを展開していました、見切り発車や駆け込み横断などは車はいくらでもしているのですけどね、信号がまだ赤のうちからじりじりと前進してきたりだとか。
私も摂津市は一部を通りがかることもあり、そこで見た様子をこのようにブログの記事にもしたわけですが、

新たに自転車槍玉条例をぶち上げた摂津市では車の歩道上駐車が横行
http://d.hatena.ne.jp/delalte/20120218/1329529130

今回、改めて摂津市を訪れ、その様子を詳しく見てどのようにしてこのような条例を思いついたのか、その背景を探っていきたいと思います。

まずお出迎えしてくれるのはこのように交通弱者遮断型の交差点です、JR東海道線の北側を並走する道路があるのですが、摂津市に入った途端に出てくるのがこれです、

柵まで作って交通弱者の横断は完全に封じます、

また歩道橋のおかげで歩道も極狭です。
そして、千里丘駅の近くまで行くと、
 
見かけたのは横断歩道や歩道を占拠してくれる車、朝日放送取材陣は都合良くこういうのは目に入らなかったわけですね、

この交差点は以前はこのように、

ほんといつ行っても車が横断歩道上を完全に占拠しているのが見られたものです、その訳はといえば、

今はこのように広く整備されたのですが、この地下道、以前はなんと1車線しかなく交替制で通行しており、常に渋滞しており、それで腹立ちまぎれに横断歩道占拠を行っても誰にもとがめだてられることもなく、そして終いには道路拡張をも勝ち取ったというわけです、ちょっと増えたらすぐ「暴走」などと囃し立てられ、排除の対象となる自転車とは大違いです。
なおここでは、

事故看板も見られました。
そして向こう側に出ると、

ここがまさしく朝日放送が自転車叩きに取り上げていた交差点ですね、だいたいからしてこの交差点、待たされる時間が非常に長くて歩行者、自転車共に数が多くなりますし、

このようにここは歩行者、自転車用信号は一度に全方向通行可になるスクランブル交差点なわけで、この細い横断歩道だけではなくもっと幅広く使って横断する、というのがいわば普通なわけです(もっともそれ用の道路塗装をしていないということもありますが)、そこをつかまえて、「あー、横断歩道ではないところを猛スピードで(猛スピードなんてあくまで取材陣の主観)」などと言った朝日放送はとんでもない難癖をつけてくれたと言えるでしょう、
一方、ちょっと横に行けば、

トラック路上駐車、

横断歩道占拠が見られたのですが、朝日放送取材陣はとことん車の違反行為は目に入らないのですね。

市役所方面に行こうとすればこの道を通ることになります、歩道は片方だけ、しかも極狭という全くもって交通弱者全般にとって悪条件、危険な道ですね。
この道をちょっと行くと、

阪急摂津市駅が、ここに新駅が出来ていたのですね。
 
自転車を標的にした柵が多く見られます、何かというと降りて通れだとか、とにかく自転車を不便にさせたくて仕方が無いのですね、またこれは車椅子(電動とか)にも大きな障害となりますね、そして近くの踏み切りの近くにはこのような看板が、

ここを通らないとかなり遠回りしなければならず、実際横断している人も見られました、そこで横断歩道設置に動かないところが全くもって車優先道路行政ですね。
ここから線路沿いに行くと、

阪急正雀駅があります、こちらは以前からある駅ですね、

正雀駅周辺は歩道も無い狭い道が多く、

そこを車が混雑しながら往来したりしています。

これが正雀駅から南へ市民図書館へ向かう道です、以前一回だけ来た時はかなりひどい道だった印象があったのですが、今回はさほどとは思いませんでした、

前回はこのような歩道駐車車がもっと多かったのかもしれません。

ここが摂津市市民図書館、以前来た時はサンリオSF文庫とかも置いてあったのですが、さすがに今回はありませんでした、ここから川(安威川)沿いにちょっと行くと、

何の意味もないと思われるこれが、これ自転車はぎりぎり通れる幅で障害物があるわけであり、車椅子がここではどうしようもなく交通に支障をきたすというわけです。
そしてここからまた逆方向に川沿いを上っていくと、

摂津市市役所があります。
ここは地図を見ればわかるのですが、中央環状線近畿自動車道という非常に幅の広い道路と川に挟まれた陸の孤島みたいな場所になっています。
ここから安威川を渡って南の鳥飼地区に行けば、
 
 
歩道上駐車がバリバリですね、自転車を殊更槍玉にしようとする一方で車のこうした行為は黙認というわけです。
その他にも、
 
このように歩道も殊更大回りを強要されるような造りになっているところが目立ちます。

本日2本目の事故看板。

そして、この何の意味も無いと思われる歩道上の邪魔な柵なのですが、

今回何でこれがあるのか意味がわかりました、結構車の交通量が多いので事故防止の為だったのですね、先ほどの歩道橋入り口の障害物も同様の理由でしょう、事故防止の為には交通弱者側の通行を一方的に制限するというわけです、結局貧困な道路行政のツケをことごとく交通弱者の側に押し付け、まとめて狭いところに押し込め、そして問題が起これば原因を全て自転車側のマナーの問題にして済まし、その一方で車のマナー違反は野放しと、結局この摂津市で見たものはといえば、全国で行われていることの縮図のようなものでした。

ここから川を越えていけば中央卸売市場があります、その周辺のトラック路上駐車もこれまたひどいのですが、ここから先は茨木市となりますので、それはまた別の機会に。