大阪交通ニュース(はてなブログ版)

交通弱者のためのニュースを追求します、あとコメントは承認制にしています。はてなダイアリーhttp://d.hatena.ne.jp/delalte/より移転しました。

「約8割に自転車の信号無視や安全運転義務違反(安全不確認等)が認められます」という大阪府の多用する文言について

大阪府で募集していたパブコメの結果が出ているようですね。

大阪府自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例(仮称)案」に対する府民意見等の募集結果について
http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=23043

「府の考え方」という解答欄を見てみると、

「府内における自転車関連事故は、約8割に自転車の信号無視や安全運転義務違反(安全不確認等)が認められます。」

という文言が、最初の2つを含み計3回も出てきていて、あたかも決まり文句、規制強化への決定打としたいような感じになっています。しかしこれは当たり前のことではないでしょうか、だいたいからして交通事故とは何らかの粗暴な運転をしているから引き起こし、また注意が足らないからこそ巻き込まれる、そういうものだと思っていたのですが、だからこそ交通安全の為にとルール遵守を呼びかけているのでしょう。むしろ注目すべきは自転車関連事故のうち2割は何の過失もないのに発生しているということです。注意不足で暴走する自転車が事故に遭うことより、何の過失も犯していないのに事故に遭うということの方が深刻で、行政はこちらの方により着目すべきでしょう。またその違反している8割の内容も

自転車の信号無視や安全運転義務違反(安全不確認等)

何やら頭に「信号無視」というインパクトの強い単語を持ってきていますが、その後「安全運転義務違反」「(安全不確認等)」なんだか段々言葉が弱くなっていっている感じです。安全運転義務違反だったら横断歩道から外れたところを通っていた、また安全不確認だったら暴走してきた車をかわしきれなかったこととかでも認定されかねません。そもそもこれあくまで自転車側「にも」過失があったということで、どちらにより大きな責任があるかという「第一当事者」ということでもないのですね。当然その自転車側に過失があったという8割の事故の中には相手側にも過失があり、またそっちの方が過失割合が重いといったものも相当数含まれているはずですが、こういったことは一切説明したり数字を明らかにしないまま自転車側の過失8割という数字ばかりを押し立てるのは、自転車の危険ばかりを取り上げて更なる規制につなげよう、という意図ばかりが見えてきてしまいます。